
うさぎと亀
鶴は千年、亀は万年生きると言います。亀さんは万年生きるので、うさぎのお父さん、お爺さん、そのまた前のうさぎさんと付き合っていました。
そして、いつも小高い丘の上で、かけっこをしていました。でもうさぎさんは、まだ1回も勝ったことがありませんでした。
亀さんが冬眠から目覚めたので、かけっこをすることにしました。
いつものスタート場所から「よーいドン」と掛け声を出して、走り出しました。いつものように、うさぎさんは素早くスタートをしました。見る間にうさぎさんは、亀さんを引き離しました。亀さんはいつものように、ゆっくり走り出しました。
猛スピードでうさぎさんは、ゴールの近くまで来ました。手を伸ばせばゴールの白線が触れられる所で、待つことにしました。
何代も居眠りをして、負けているので、「絶対に寝てはいけない」と大きな目を余計に大きくして、下の方の亀さんをみていました。
亀さんは石を乗り越えようとして、後ろにひっくり返っています。そして、ころころと転がり、また石に上っては転がっています。
それを見ていて、眠くなってきました。「あの調子ではとうぶん大丈夫だろう」と一眠りすることにしました。
だいぶ眠って「はっ」と思い、目覚めました。でも亀さんはまだゴールには遠い所にいました。
「ああよかった!寝たふりをして、亀さんがゴール寸前で手を伸ばそう」とタヌキ眠りをしていました。
亀さんがうさぎさんのそばを、通りました。うさぎさんは目覚めたふりをして、亀さんのゴールよりも、ちょっと先に手を伸ばそうとしました。
手が白線に近づきました。そのとき亀さんは、いっぱいに首を伸ばしました。うさぎさんは亀さんの首が伸びることを忘れていました。ビデオ判定の結果、亀さんがまた勝ちました。