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心の散歩道

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2024年

井戸掘りはむずかしい

最近、全国でさまざまな自然災害が頻発しています。災害が発生すると電気・ガス・水道等が止まりますが、その中でも一番困るのは水のようです。そこで災害対策を兼ねてお寺に井戸を掘っておこうと思い立ちました。

災害の際には、駐車場を開放して地域の方に井戸水を供給できるように便利な場所を選び試掘を始めました。

地下6~7メートルまで掘ったあたりで地下水が出ました。調べてみると塩分を含む水です。塩水では日常生活に使うことはできません。なおも次々とパイプを継ぎ足し、地下深く掘り進めていきます。硬い岩に当たりなかなか掘れない場所もありましたが困難を乗り越え、パイプは地下20メートルを超えました。

結局、4日間かけて地下27メートル付近まで掘り進めましたが、出てくる地下水はすべて塩水。塩分濃度は2パーセントから4パーセント。残念ながら飲用に適する水ではありません。もっと深く掘って別の水脈を探すという選択肢もありましたが、良い水が確実に出る保証はありません。今回の井戸掘りはこれにて終了となりました。まことに残念な結果になったのですが、「井戸掘りはむずかしい!」と、ため息が出ました。

因みに「地下水の塩水化」は現代的な問題のようです。地下水を過度に汲み上げると井戸とその周辺の地下水位は低下し、地下水位が海水面よりも低い状態が続くと海水を引き込み、井戸に塩水が入ります。そして一度、塩水化するとすぐには元に戻らず、地下水の利用が難しい状態となるようです。

お寺は海から約6~7キロメートル離れていますが、近くを流れる旭川の汽水域(淡水と海水が混じりあっている水域)はもっと上流の岡山県庁付近と聞いていますので、付近まで海水が旭川を遡っていることになります。

井戸水確保がままならない現状では大きな災害が起こらないことを祈るばかりです。