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心の散歩道

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2016年

最も貧しい大統領

「私たちは発展するために生まれてきたのではありません。幸せになるためにこの地球にやってきたのです」

2009年から一期5年、ウルグアイの大統領を務めたムヒカ氏が在任中の国際会議「持続可能な開発会議」で、際限のない世界の開発競争に警鐘をならすために行った演説の一節です。後に「伝説のスピーチ」として有名になりました。このおよそ8分間のスピーチ、全文を掲載したいくらいにすばらしい内容です。

ムヒカ氏は大統領在任中、「世界で最も貧しい大統領」と呼ばれていました。大統領公邸には住まず、質素な自宅のトタン屋根の農場に妻と暮らし、大統領報酬の大半を寄付していて生活費は10万円ほどだそうです。 国際会議にはエコノミークラスを利用して行きました。運転手付きの公用車にも乗らず、代わりに友人たちからプレゼントされたという中古のフォルクスワーゲンの自家用車を使ったそうです。

この4月に来日され、各地での講演は大変な話題となりましたが、そのおよそひと月後、東京都知事のお金にまつわる問題が発覚しました。

海外出張はファーストクラスの飛行機で行き、宿泊は高級ホテルのスイートルームだそうです。毎週末には公用車を使って別荘へ。政治資金で家族旅行や食事、美術品を購入した疑惑もあるということです。

法的には違法性はないという指摘もありますので軽々に発言してはいけないのかもしれませんが、弁明の記者会見が火に油をそそぎました。曰く「トップリーダーが二流のホテルに泊まるのは恥ずかしいでしょう」

ムヒカ氏は「伝説のスピーチ」でこうも述べています。

「貧しい人とは、少ししか持っていない人のことではなく、際限なく欲しがる人、いくらあっても満足しない人のことです」

あまりにも対照的な二つのニュース、考えさせられました。