
忖度ということ
平成28年5月27日、アメリカのオバマ大統領が広島を訪問されました。原爆を落とした国の現職の大統領が戦後71年経って初めて広島の平和公園を訪ね、犠牲者に献花し祈りをささげました。マスコミは賛否両論、感想もさまざまですが、私は歴史の上で尊いことだったと思いました。
まずオバマさんは原爆資料館に足を運びました。わずか10分でしたが、当時の遺品を目にされ、こんな言葉を記帳されています。「私たちは戦争の苦しみを経験しました。共に、平和を広め核兵器のない世界を追求する勇気を持ちましょう」。このメッセージを記帳した上に2羽の折り鶴を、「手伝ってもらったが、私が作りました」と。近くにいた小中学生にも2羽を。資料館館長も感激し、広く公開されました。
資料館の後、慰霊碑に献花し、17分にわたったメッセージです。私が耳に残った言葉は、「71年前に今と同じ大切な時間がここにあったということを知ること…」、「この街の子どもたちは平和に暮らしています。すべての子どもたちにそれを与える価値がある…」などなど。本当に核廃絶、子供たちの未来に平和をと祈ります。
歌手のさだまさしさんは、この中継を見てずっと涙を流していたそうです。『忖度』という言葉を使いました。忖度とは、他人の気持ちをおしはかるということです。さださんは、感激とか癒しのようなことでなく、わけがわからないけど、その忖度という事に涙がこぼれたのかもと言われます。オバマさんが演説後、被爆者と握手し抱擁されたのも、この思いからでしょうか。
気持ちをおしはかることは難しいことです。でも、私達の日々の生活にも忖度の思いを持ちたいものです。