
水変じて乳となる
嫁いだ娘に孫が生まれ、産後しばらくこちらに里帰りさせてもらいました。
その娘が、毎夜赤ちゃんと寝室に行く時に水の入った水筒を持っていきます。「夜中にそんなに喉が渇くのか?」と聞くと、「水を飲んでお乳を出すんじゃが」と娘。私はハッとしました。水も母乳になるんだ、と。幸い母乳が出て夜中も楽に飲ませています。勿論、娘も水だけでなく食事もしっかり食べていますので、すべてが栄養になって母乳が作られているのでしょうが。
「水変じて乳…」そういえば、日蓮さまがこんなことを言われていました。
「稲は変じて苗となる 苗変じて米となり 米変じて人となる 人変じて仏となる」
稲籾をまくとやがて苗となり、苗が育つと米になります。その米をいただいて私たちは生きてるのだとおっしゃいます。あたりまえと思い、米が変じて人となるなんて改めて考えていませんでした。それより、その人が変じて仏になると言われます。この仏とは亡くなることでなく、仏さまのような人になると言われています。これは簡単には考えられないことです。
でも、娘の一言「水を飲んでお乳に」を聞いて、なにか日蓮さまの言葉も理解できるようになりました。
人間のいとなみ、あたりまえと思っていたことが考えてみると不思議なことです。目に見えないところでいのちの営みがなされています。同じように、人も仏さまに手を合わせ、素直に信仰をささげていると、不思議に仏さまのようになれるのではないでしょうか。
「仏種」という仏さまになる種を私たちはいただいているそうです。不思議な仏様の種を大事に育てて、やがて仏さまになれるよう努めたいことです。