
737年目の邂逅
先般、身延山で日蓮宗の全国檀信徒協議会による輪番奉仕が行われ、その導師を務めさせていただきました。
全国檀信徒協議会とは、各地区の檀信徒協議会や護持会の代表者が集まる組織です。輪番奉仕には参加された方もいらっしゃるかと思いますが、身延山の法主猊下になり代わり、一日法主として日蓮聖人にご給仕させていただくもので、私たち日蓮宗の僧侶、檀信徒にとっては大変に重要な儀式です。
先ず委嘱式にて法主猊下に輪番奉仕のために登山した旨をご報告し、委嘱の証として中啓(扇子)をお預かりします。その後に日蓮聖人のご遺骨が安置されている御真骨堂にて輪番法儀に則って法要をします。
現在の身延山の住職である内野日総法主猊下は、日蓮聖人が身延山に入山された時の領主であった波木井実長公のご子孫でいらっしゃいます。一方、全国檀信徒協議会の会長を務めてくださっています池上幸保会長は、日蓮聖人のご臨終の地であります池上本門寺一帯を所領とされていた池上宗仲公のご子孫です。つまりは、ご両人とも、当時、日蓮聖人に最も近くで仕えられたお檀家のご子孫ということになります。そのお二人が、片や法主として僧侶をご統理くださり、片や檀信徒協議会会長として信仰活動の先頭にたっていただいているのです。
今年は、日蓮聖人がお亡くなりになってから737年になります。法主猊下から輪番の委嘱を受けながら、私たち日蓮宗の信仰は、聖人ご在世当時から途切れることなく連綿と繋がっている現実を目の当たりにし、大げさに言えば、奇跡が起きている現場に立ち会っている気分でした。もしかしたら、日蓮聖人と波木井実長公と池上宗仲公との三人で、身延山でご面談なさる機会があったのかもしれない、などと勝手な想像を廻らしながらご真骨堂でのすばらしい時間を過ごさせていただきました。