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心の散歩道

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2019年

沖縄の高校生の話

今年4月、沖縄工業高校2年の崎元颯馬さんは、生前大変お世話になった伯父の納骨式に参列するため与那国島へ帰省しようとしていました。ところが那覇空港駅に向かうモノレール内で、航空券代6万円が入った財布がないことに気が付きました。

出発時間が迫る中、頭を抱え座り込む崎元さんに、白髪の男性が、「どうしたんだ」と声を掛けました。事情を聞いた上で、財布から6万円を差し出したのでした。

動揺が収まらなかった崎元さんは男性の名前や連絡先を聞きそびれてしまったことを悔やみました。そこで、「借りたお金を返し、お礼がしたい」と新聞などを通して恩人捜しを呼び掛けることにしました。結果、インターネットの記事がきっかけで埼玉県に住む医師の猪野屋博さん(68)からすぐに連絡が入りました。

猪野屋さんの話によると、モノレール内でうなだれている崎元さんに声を掛け、事情を知りました。なくしたお金は6万円。猪野屋さんは、「そんなにかかるのか」と一瞬、疑問もよぎりましたが、「あまりに悲しい顔なので、貸すことは先に決めていた」帰ってから知人らと話題にしたが、「だまされたんだよ」と笑われたそうです。半ば諦めもあったが、「俺は信じている」と思っていた猪野屋さん。「やはり沖縄の人は優しいよ。涙が止まらなかった」と、泣きながら話しました。

また、なくした財布は乗車駅で見つかり、中の現金も無事戻ってきたそうです。

この医師の凄いところ。困っている姿に気づき声をかけたところ、そして事情を聞いてすぐにお金を貸したところ。お金を借りた高校生もそのお金を返そうと必死に探したところ。

昔、「○○まで帰るお金がない。千円でもいいから貸してくれ」とお寺によくお金を借りに来る人がいましたが、返しに来てくれたためしがありません。