心の散歩道

心の散歩道

2019年

長い道のり

ここ数年は雨傘のお世話になっていましたが、今年の身延山参拝旅行は良いお天気に恵まれました。久しぶりに五重塔を背景に、輝く日差しをうけて記念写真を撮ることができました。皆さん、笑顔でカメラを見つめます。その笑顔の中心にいたのが、Kさんです。

日蓮宗総本山身延山久遠寺には、日蓮聖人のご遺骨を祀る御真骨堂があります。このお堂では、「輪番奉仕法要」というお寺の団体参拝だけに許される特別な法要を行うことができます。日蓮聖人のご遺骨を間近で拝むことのできる貴重な機会でもあります。

またこの法要の参加者は、回を重ねると、10回の節目ごとに身延山から表彰状が授与されます。私どもの寺では毎年1回、輪番奉仕のため団参を行っていますが、10回表彰を受けるためには、最低10年はかかります。今年、その表彰者が重なりました。10回表彰が4名、20回表彰が1名、そして50回表彰を受けたのが、Kさんでした。

Kさんは御年91歳。30代の頃から始めて50年以上の歳月を費やし、身延山輪番奉仕50回の偉業を達成しました。途中家庭の事情でどうしても参加できない年もありました。また、大きな交通事故に遭い、足に大けがをしたこともありました。一時は足の切断も選択肢に上るほどの大事故で、がっくりと意気消沈していました。しかし、Kさんは、「また輪番奉仕に参加するんだ」という強い意志と篤い信仰心を持って、治療やリハビリに励み、驚くほどの回復を見せ、再び自分の足でしっかりと歩くことができるようになりました。周りの檀信徒の皆さんも、「お寺仲間」として、しっかりとKさんを支えてくれました。いろいろなことが重なった素晴らしい50回の達成でした。