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心の散歩道

心の散歩道

2019年

高齢者共同生活

後期高齢者と、もうすぐ後期高齢者になる2人で食事をします。

食卓に座ると、「用意ができんうちに来ないで。イライラするが」と言われます。

「ご飯です」と言われて遅くなると、「冷めて、しまうでー」と言われます。頃合いをはかり、座るのに技術がいるようです。

若いころは向かい合って、顔を見ながら食べていましたが、これは遠い昔のことになりました。今は90度の角度をとって、顔を見ないようにして食べます。ときどき会話が聞きづらいこともあり、いつの間にか席を近づけています。

物忘れが始まりました。「ザーザー」という音が聞こえるので、「なんの音なら?」と聞くと、「電気ポットの音じゃが。そがんことも気が付かんの」と語尾を上げて言われました。

「アッ、湯沸かしじゃーないがー。水道を止めるのう、忘れとるんじゃった。あんたも湯沸しの音と、水道の音が区別できんの、気が付いたら言うてえー」と今度は、小さい声で言いました。

気が付いたから言ったのですが、「話をしながら食べるとポロポロこぼれるがー、黙って食べてくれる」。口から少しこぼしながら、注意をしてくれました。

物の置忘れも始まりました。「誰かが、どこかに持って行った」と考えて、探してもらうようにします。でも、2人しかいないので「オイ、何処にやった」「どこかにやったでしょう」と大声で相手に言うだけです。

携帯電話が時々行方不明になります。大声を出さなくても、固定電話から発信すると、たいていカバンの中や、物の下に隠れていて、ちゃんとお返事をしてくれます。

「孫たちが帰って来る」と連絡が入ると、一瞬にして2人は行動が早くなり、テキパキと動き出します。そして、お帰りになると、いつもの、「どうでもいいが」という共同生活に戻ります。