
災厄襲来
この10年ほど、私たちは多くの災厄を経験してきました。東日本大震災。九州の大地震、局地的な大水害。昨年、関東地方に襲来した台風の被害も甚大でした。
そして今年、新型コロナウイルスの蔓延という大災厄が襲っています。
今回の災厄はあまりにも特別で特殊です。先ずは規模が違い過ぎます。地球規模で感染被害が広がっています。それもほぼ同時です。5月末の時点でも、世界中の大都市はほぼ封鎖状態になっています。
今回の事象がより特殊なのは、連帯すること、繋がることが何よりも許されないということでしょう。これまでの災害時には、人々がボランティア活動を中心に連帯し、助け合い、励ましあってきました。今回は、それが一番いけないこととなってしまっています。お亡くなりになられた人は、家族の介護も看病も受けられず、その家族は、臨終に立ち会うこともできず、お葬式すら行うことができません。
芸能人の訃報が報道されていましたが、台の上にポツンと置かれた遺骨を家族が家の中に持って入る映像が何度も何度も映し出されていました。異様な光景です。
脳科学者の茂木健一郎氏が、「当たり前だと思っていた日常が続けられなくなってしまった時に、その日常がいかにありがたいものであったかということに気づく。そのことで、日常に回帰した時に、日常を活かすライフスタイルが深まっていくことが期待できる。トンネルを抜けた時の明るさを待ちたい」とブログに綴っておられます。
お寺でも、春の彼岸経、彼岸の法要を中止せざるを得なくなりました。考えも想像もしなかった事態です。当たり前のように出かけ、当たり前のように人に会い、話をして……。
一日でも早くそのような日が戻ってくることを願いながら、毎日の朝のお勤めで、災厄退散の御祈願を続けています。