ホーム>法話>心の散歩道>2020年>見えないものの力

心の散歩道

心の散歩道

2020年

見えないものの力

庫裏の玄関先の立ち話でも、心温まるお話を伺うことがあります。特に長年連れ添ってこられた伴侶を亡くされた奥様が、日々のご供養の中で感じられたことを話してくださるのを伺うと、仏様の力、信仰の力を教えていただくことが多いのです。

四十九日忌の法要を済まされた後、訪ねてこられた奥様からは、こんなお話を伺いました。

主人はね、本当に気難しい人でした。生きている時は感謝されたことなど一度もありませんでしたよ。よく叱られましたしね。こちらも「こんちくしょ」とよく思いましたよ。

私たちには子供がいませんから、主人が亡くなって一人暮らしになるとやはり寂しいです。でも一度も夢に出てきてくれませんでした。それがね、先日四十九日の法要をして納骨を済ませたら、突然夢に主人が現れたんです。声をかけても何も返事はありませんでした。でもね、ふっと後ろを向いて歩きだした主人が、ぱあっとまぶしいほどの光に包まれたんです。そしてその方へゆっくり歩いて行ったんです。

主人がお礼に出てきたんですかしら。光に包まれていて、なんだかよかったんだなあと安心しました。それで私の心もすっとしたんです。

またこんなお話も。

主人が亡くなってから、毎晩お経をあげています。いつもお自我偈を三回唱えます。最後にお仏壇のお位牌の一人ひとりを順番に読み上げてお題目を唱えます。主人が亡くなってからずっと続けてきているうちに、なんだかこのご先祖様たちが、とても近い人に思えてきて、今まで以上に私は本当にこの家の人間になったと感じるようになったんです。主人の法号を唱える時は、まだまだぐっと感情がこみあげてきますけどね。

ご供養は亡くなった方も残された方も幸せにすると思います。