心の散歩道

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2022年

千羽鶴の願い

ロシアのウクライナ侵攻により、戦争は今も続き、大勢の犠牲者が出ています。そんな苦境において、辛い避難生活を余儀なくさせられているウクライナの人々へ、様々な形で支援が行われています。その中に平和を願い、心を込めて折られた千羽鶴をウクライナ大使館へ届けようとされた方がおられます。ところが、強い批判の声が寄せられ、送ることを断念されたという話を知りました。経過を調べている内に、自然災害被災地へ復興を祈って捧げられた千羽鶴での賛否を含めて、様々な考え方があることが分かりました。

以来、千羽鶴に関しての賛否論争にモヤモヤしていましたが、最近新聞を見ていると、『広島に届けられた思い無駄にしない《折り鶴 スニーカーに》』というタイトルの記事が目にとまりました。広島の平和記念公園には年間10トンを超える折り鶴が国内外から届き、飾られた後、保管が困難なため、個人や企業に譲渡されているようですが、地元企業の企画により、その折り鶴から再生糸を作り、綿の糸と織り合わせた強い布地の開発に成功して、スニーカーを生産販売することになったそうです。担当の方は「折り鶴に込められた思いを無駄にしたくない。ファッションを楽しみながら平和を考えるきっかけにしてもらえれば」とコメントしておられました。

この記事を読んで、モヤモヤした気持ちが晴れました。その日の夕食で千羽鶴の話題を出すと、広島出身の家内が中学2年の時の話をしてくれました。休憩時間に友達が持ってきた折り紙で、なんとなく折り鶴を折っていたら、瞬く間にクラスに広がり、折角だから千羽鶴にして、平和公園に持って行こうよということになったそうです。ついには先生も巻き込んで学年全体に輪が広がり、8月6日の平和記念式典に先生と代表の生徒によって納められたそうです。千羽鶴の願いは、同じ思いを共有して平和の輪が広がっていくことだったのですね。