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心の散歩道

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2022年

一本千円の大根

「六十の手習い」と言いますが、この歳になって、5月ごろから畑仕事を始めました。十何年も放り畑になっていたのを、畑にするという爺さんの一大事業です。

スコップと鍬で始めましたが、とても体力が持たないと自覚しました。

「畑を始めたが、手動ではとても追っつかん、中古の耕運機はないだろうか?」と何かと協力して下さる人に相談しました。次の日には使用者と同様な古ぼけた耕運機が届きました。

コトコトとやっているのを見て、近所の親切な人が、トラクターを持ってきて、耕地を広げてくれました。

始まりの1坪ほどの畑が、だんだん広くなっていきます。苦土石灰、堆肥を買って、霜崩れの土も入れます。

ピーマンと茄子の苗を貰い、きゅうりの接ぎ木苗を買い、それぞれを婆さんの思惑の所に植えました。

婆さんが「こりゃあ!、一本五百円ぐらいの胡瓜になるでー」といいました。

猪さんがおいでになるようになりました。捕獲の檻を置いてあるのに、入口まで来ますが、入りません。

電気柵の線を引きまわしました。しかし、電気の通じない線だけなので、いつ強行突破されるか分かりません。

次の春先には「鳴門金時を植え、トウモロコシも植えましょう」と婆さんが言っています。猪さんの大好物を植えるということは、間違いなく畑にお入りになるでしょう。

入られたらシャクなので、電気柵の本体を買いました。猫の額ほどの畑に、物凄い出費です。また婆さんが言いました。「一本千円の大根になった」と。