
毎日功徳
若い時は何も感じなかったのですが、最近では飛行機が次第に苦手になってきました。飛行機が空を飛んでいる間、ふと思い出して鳥肌が立つことがあるのです。「この床の下には、地面も何もないんだ。」
そんな考えが浮かばないように、飛行中は本や雑誌を読むことにしています。幸い飛行機には機内誌という便利なものが用意されてます。先日もパラパラとそのページをめくっている内に素敵な特集記事に出会いました。
タイトルは「毎日功徳」。「仏教国ミャンマーの当たり前の日常」という副題がついています。国民の多くが熱心な仏教徒であるミャンマーの人々の仏教信仰と結びついた日常生活がレポートされていて、読んでいるうちにその内容にぐいぐいと引き込まれました。
ミャンマーの首都ヤンゴンで商店を営む女性ママリさんは、母親の代から毎日僧侶に対する朝食の寄進を行う功徳を積んできました。
「もう60年になります。これで幸せになりますようにとか、なにかを要求することはありません。たくさんの功徳を積めば、来世がきっとよいと私たちは信じているんです。私は娘を亡くしています。若くして亡くなったので功徳をたくさん積むことはかないませんでした。ですから、娘の分まで功徳を積んでいます。娘が来世で幸せになるようにね」
「宝石や家は壊れて、人も死にます。来世に持って行けるのは功徳だけ。私は自分のできる範囲で功徳を積みます。功徳は誰にも壊されない、盗まれない。自分の中にあるからです」
ミャンマーの僧侶は次のように説きます。「まずは現世をしっかりと生きる。それが来世につながる。よい来世とは、よい現世から生まれてくるように思いますね。善いことと思ってすれば、結果はどうあれそれは功徳です」
相手を思い、善い行いをすることが功徳。忘れていた原点に帰った思いがします。さあ今日から、今から。