
職人気質
先般、いつもお世話になっている表具師さんに、ちょいと面倒な仕事をお願いしました。これは、表具師さんだけでなく、指し物大工さんと合同の仕事になるのでしょう、表具師さんと指し物大工さんと3人で現場を見に来られました。表具師さんが仕事の内容を説明しました。体がやっと入るような所に加えて、350年の歴史が物語り、随分と長押の中央が下がっていびつになっています。かけて加えて欄間が傷んだ上に随分凹凸があり、かなり難しい作業のようです。
若い指し物大工さんが「現状では私たちには無理だ」とあきらめの発言をしました。すると、しばらく考えていた表具師さんが「確かに難しい。しかし、私たち職人は依頼されたことをなんとか工夫しながら施主さんの要望にお応えするのが仕事だ」と、若い職人さんを諭しました。その場は一時凍りかけましたが、年配の指物師さんが提案を始め、3人、ああでもないこうでもないと文殊の知恵よろしく評定が始まりました。30分ほど経ったでしょうか。呼ばれ、行ってみると、大工さんの手を借り、なんとかできる方法を考えてくれていました。胸をなで下ろしました。
諦めることは簡単です。経験豊かな職人さんの根性と心構えに感動しました。もう一度その言葉を言います。「私たち職人は、依頼されたことをなんとか工夫しながら要望にお応えするのが仕事だ」。後輩たちに厳しく教えていくのが年長者の務めだと思いました。
プロの根性ですね。果たして私にそれだけの心構えがあるでしょうか。職人さんに教えられました。