十界互具これを説く
『如来滅後五五百歳始観心本尊抄』/
文永10年(1273)聖寿52歳
今月の聖語
『如来滅後五五百歳始観心本尊抄』/
文永10年(1273)聖寿52歳
=優しい心=
罪を犯した人の立ち直りに寄り添い、犯罪や非行のない社会を作ろうという「社会を明るくする運動」があります。どんな人でも「優しい心」を持っていることを信じているからこそできる運動です。
十界とは、私たちの心のありようです。みんなの幸せを願う「優しい心」から、自分だけの利益しか考えず他人を傷つける「地獄の心」までの10段階の「心」のことです。それぞれの心が単独であるのではなく、互いが互いを兼ね備え、影響し合っています。人の「地獄の心」は人の「優しい心」に変われますし、「優しい心」が逆に「地獄の心」になってしまうこともあります。
苦しみや争いの絶えない社会の中で人と人がお互いに理解し合い、誰もが「優しい心」で生きていくことができれば、安穏で平和な世の中になるのです。
◎日蓮聖人ご遺文『如来滅後五五百歳始観心本尊抄』
信徒の富木常忍に宛てて届けられた書で、佐渡で著されました。すべての人が本当の幸せを得られるという「一念三千」「十界互具」という教えが説き表された最も重要な書です。
文永10年(1273)聖寿52歳