
常に心はお寺に
長年お寺の総代を務めてくださった総代さんが先日、91歳で亡くなられました。
高校を卒業後、地元の農協(今のJA)に就職され、定年までお勤めになりました。勤務中もお寺の行事には休んで会計を担当し、熱心に努めてくださいました。
今から25年前からは、朝のお勤めにも車で毎日参詣され、詩吟で鍛えた喉で読経し、太鼓を叩くのがお役目でした。その太鼓も、ぶっ叩くのではなく緩急お経のリズムに合わせ、自然にお経が口をついて出てくる感じでした。
その日、本堂での朝勤に出ようとした時のことです。お寺には文化財があるので内外に数カ所、防犯センサーをつけています。電源を入れておくと、人を感知した場合は音声で「感知しました。退避してください」とスピーカーから大音声が流れます。夕食後、最後に自分の部屋に戻る者が警戒モードの電源を入れ、私が朝勤前に電源を切ります。
その日も午前5時半、電源を切ったのですが、本堂内のランプだけが消えません。誰かいるのでしょうか。それにしても「退避してください」の音声は聞いていません。本堂に行ってみましたが誰も居ませんし、鍵も壊されていません。機器の故障も考えられるので戻り、もう一度、電源を入れた後、切りました。今度は本堂内のランプも点かず、正常の状態でした。
数時間後、くつろいでいると、その息子さんから「今朝、父が亡くなりました」と電話が入りました。一瞬、身震いが止まりませんでした。あっ、あれはその総代さんの霊魂が静かにお参りに来られていたに違いない。形がないので施錠してある戸も通り抜けられたのだろうと思いました。
解釈は各人各様いろいろあるとは思いますが、絶対に霊魂はあると強く感じ、教えてもらった総代さんの死でした。