
先祖からの地 子や孫に
過疎地区といわれている所に1人で住んでおられたおばあさんが亡くなられて、もう十数年たちました。お元気な時は書を書かれ、90歳を超えても数独を毎日される「スーパーおばあちゃん」と言われた方でした。
おばあさんのお葬式や納骨が終わり、嫁いでいる3人の娘さんはやむなく田舎の家を閉めていました。でも、娘さんが交代で家に風を入れたり、近くの畑に植えているものの世話に帰っておられます。
閉めた家には、留守番の意味で手作りの人形さんが何体も置かれています。誰もいなくてもほほえましく、「こんにちは」と声をかけていました。
娘さんの歌が朝日新聞の岡山歌壇に載りました。「ふる里の不在の家に風を入れ人形飾る母よ春です」留守番の人形が微笑んでいます。亡きお母さんも喜んでおられるでしょう。
次女さんの歌も載りました。「ごめんねと三つに二つの実を間引く休耕田に柿の育ちて」ふる里の地に植えた柿の実の間引き、これも大変な作業ですが、みんなで頑張っておられます。
三女さんは、ふる里を負の財産と考えずに、先祖から頂いた大事なる聖地と捉え、子や孫にもその心を育ててやろう、と言われます。
田舎の家や田畑を片づけることを考えている方が多くなる中で、「先祖からの大事な聖地を子や孫に」と。尊いことです。
三女さんの歌も岡山歌壇に。「水仙が咲く頃またねとふる里の空家を閉じる山と眠れよ」いつもふる里の家を閉めて帰るのはつらいでしょうが、またねとの言葉を山で眠るお母さんも喜び待っておられることでしょう。
お盆にはいつも皆さん揃って帰っておられます。亡きおばあさんもお喜びでしょう。お盆には私も伺いますよ。