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心の散歩道

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2021年

命は一番の宝物

ある主婦が体調をくずしたので検査を受け、診察結果を聞きに行きました。

主治医が、病気の状態と進み方を、パソコンと家族の両方を互いに見ながら、説明されています。

「30、40代の患者さんには、すぐ手術をしなさいと、強く言います。70代、80代以後の人には、手術を進めず薬で様子を見ましょうと言います。あなたのような50、60代の年齢の人には、自分で考えて決めなさいと言います」と自己判断を勧めます。主婦がすぐ「手術をしてください」と言いました。

「わかりました、次に、体を切り開いて、患部を見ながら病巣を取り除く方法と、小さい穴を開けて、遠隔操作で患部を取り除く方法があります。切り開く手術は保険が効きますが、後の方法は保険が効かないので、大金の費用が掛かります。でも、患者さんには切り開かないだけ、体の負担はものすごく軽いです」と患者の苦しみが少ない方を勧めます。 

主人はそれを聞きながら「精神も、体力も弱っているので、母さんの楽な手術にしてやりたいが、金繰りはどうなるかな。まず車の買い換えに用意してきたあの金と、嫁入り資金にと思っていたあの金と、それでは足らない分は、子供たちに負担さすとして、何とかなるだろうか?」と金策を考えていました。

「ご主人、聞いていますか?」と、急に主治医に言われて「金策を考えて、聞いていなかった」とも言えないので、

「ハイ。患者の負担のならない方法でお願いします。いい乗用車一台分ぐらいの費用が掛かるので、先生。10年は命を持たしてくださいよ。自動車でも10年は乗れるでしょう」と頼みました。

「間違いなく手術は成功します。しかし、車でも事故に遭うことがあるでしょう。ほかの病気になることはあるでしょう」と言われてしまいました。
命と申す物は 一身第一の珍宝なり
 『日蓮聖人 可延定業御書』